2014/01/26
2月10日(月)より、WACKO MARIAのイメージブックが発売されます。
180ページに及ぶこの写真集を撮影したのは、予てより噂になっていました、LARRY CLARKによるものです。
ファッションシーンの常識を覆した、世界的に注目される作品であることには間違いありません。
どうぞご期待下さい。

・「WACKO MARIA LARRY CLARK」 ¥5.250
2月10日(月)発売
~LARRY CLARKによるイントロダクションの和訳~
俺は商業写真、特に広告のファッション撮影はしない。ただ、新しい映画をリリース時だけ、出演キャストをモデルにし、プロモーションを兼ねてファッション撮影をする。それだけだ。
去年、俺は「マーファガール」という映画を作った。インターネット配信のみの、larryclark.comからしか見ることのできない映画。それは俺が今まで会ってきた、ハリウッドのプロデューサーや配給といったハリウッドの腐ったシステムへのアンチテーゼだった。本当にどうしようもない連中さ。すごくいい条件を提示して契約しても、ギャラが振込まれることはない。人の目をまっすぐ見て、握手しながらも平気で嘘をつくのさ。
「マーファガール」をリリースした後、日本の「HUGE」という雑誌から連絡を受けた。それは「マーファガール」に出演しているキッズ達でファッション撮影できないか、という依頼だった。そのオファーと一緒に<ワコマリア>という日本のブランドのカタログも撮影して欲しいと言われた。「HUGE」の撮影はOKをしたが、<ワコマリア>のカタログには答えを保留にしてもらったんだ(正直やるつもりはなかった)。そして撮影場所となったテキサス州・マーファで「HUGE」スタッフやスタイリストと会い、彼らが持ってきた服を見せてもらった。その中に<ワコマリア>の服があった。俺はすぐに<ワコマリア>の服が気に入った。すごく良かった。そんなこともあって<ワコマリア>の撮影を受けることにしたんだ。ただし「ワサップロッカーズ」で出演したキッズたちをモデルにして撮影することが俺からの条件だった。
俺は2003年の7月2日に、ロサンゼルス・サウスセントラルの”ゲットー”と呼ばれる場所でこのキッズたちと出会った。そして彼らを被写体にして写真を撮り、そして毎週土曜日は、一緒にスケートボードをしに出かけた。こうして1年半ぐらい彼らを追っていたんだ。ロサンゼルスで生活する多くの白人は、このサウスセントラルという場所に近づこうとしない。それは、そこに住んでいる殆どが、ラテン系の連中または、黒人のギャングスターだから。俺は実際そうした場所へ何度も行って、13~14歳のラテンキッズ達、そして彼らの家族と一緒に一年以上過ごした。”ゲットー”は話に聞いた通り、白人の警察以外、白い肌のヤツを見ることはなかった。でもこいつらもまた、ほかのキッズ達と変わらない。ものすごく危険なエリアに生まれ育ちながらも、普通の子供たちと同じように、将来何をしたいのか探している。でも、この”ゲットー”では、学校からたった2ブロックしか離れていない場所ですら、銃で撃たれることがある。そしてそれは実際あった話だ。俺が知っていた一人の子供が、俺の目の前で銃で撃たれて殺された。だから、「ワサップ・ロッカーズ」のオープニングは、実際に起こった悲劇からスタートすることにしたんだ。
”ゲットー”で生きていくためには、あるルールに従っていかなくてはならない。そして、生きるためには、そのルールと闘わなくてはいけない。勝たなくてもいい戦い。生かされながら殺されないためには闘わなくてはいけない。そして、俺がそこにいて気づいたことがある。それはサウスセントラルは、他の場所と比べ、仲間からのプレッシャーが一番強い場所だということ。俺がこいつら会ったのは10年前で、俺が60歳のときだったが、これほどまでにクレイジーな生活を送る連中はみたことがない。それは自分自身が生活していてもかなりタフだった。このラテン系のキッズ達にかかるプレッシャーは相当なものに違いない。例えば”ゲットースタイル”と呼ぶように、ほとんどの連中が自分の髪を剃り、太いバギーパンツを履き、そして葉っぱを吸いながら、ラップを聞いて黒人のように振舞っている。でも、こいつらは違う。そういった”ゲットースタイル”とは逆に、髪を伸ばし、タイトなパンツを履いて、パンクロックを聞き、そしてスケートボードに乗る。彼らはそうして、周りの連中と毎日闘っているんだ。学校へ行くときも。そうして、彼ら自身のアイデンティティを探すために。
彼らが着ている、タイトなパンツやタイトなシャツを”ドレッシング・ヤング”(DRESSING YOUNG)と呼ぶんだ。こいつらは新しい服を買う金がなくて、11歳の頃から同じ服を着ているから。体は成長していっても、新しい服を買う金なんてない。そういう意味でこいつらは、必然的に自分たちのスタイルを作りだしたんだ。そんなキッズたちに<ワコマリア>の服はすごく似合っていた。そして<ワコマリア>の服は、俺が掲げている2つのルールを反映していたんだ。一つ目は、俺を逆らわないこと。そして2つ目は、誰かを脅かすことはしないし、そして脅しからは絶対逃げないこと。
ラリー
P.S 10年後に「ワサップ・ロッカーズ」のジョナサン、キコ、カルロス、そしてマギーに”HELLO”と言っておいてくれ
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